伝統の製法を受け継いで

岩井の胡麻油は、安政4年(1857年)の創業より
今もなお昔ながらの製法を守り、人の手をかけ、丁寧に搾っています。
いくつもの工程を経てつくる当社圧搾製法の胡麻油は、
効率を優先する時代の流れの中で、いつしか特別なものになりました。
胡麻油の命でもある香りは、焙煎によって生まれます。
その繊細な工程こそ、長年の経験が生んだ匠の技。
五感を駆使して煎り具合を確かめ、風味を引き出した胡麻油は
世界中のお客様から高い評価をいただいています。
私たちは伝統を受け継ぎ、今日もこの一滴に丹精を込めます。

Traditional
Special Making

[胡麻油ができるまで]

加熱・焙煎

岩井の胡麻油の特徴である風味・香味を引き出すために、原料である胡麻を丁寧に加熱・焙煎します。熟練の職人が胡麻の状態と、その日の気温や湿度などを見極め、五感を駆使しておこないます。胡麻油の個性も、この焙煎によって生まれるため、伝統の技が光る工程です。

搾油

有機溶剤を使用しない昔ながらの圧搾製法で油を搾ります。道具が変わっても、豊かな風味・香味を守る搾油法そのものは、160年前と変わることがありません。

濾過・静置

搾油した胡麻油は粗濾過してからいったんタンクで2週間静置します。沈殿物を落ち着かせ、その後仕上げ濾過、カートリッジフィルターでの濾過を行い、透き通る油に仕上げます。効率の良い遠心分離機を使用せず、時間をかけて油を寝かせることで、風味・香味をしっかりと守っているのです。琥珀色に輝く岩井の胡麻油はこうして生まれます。
About Sesame

[胡麻について]

熱帯サバンナで生まれた胡麻は、紀元前3000年頃にナイル川流域で既に栽培されていました。日本で胡麻食が広まったのは仏教伝来(538年ごろ)と言われていますが、縄文時代の遺跡からも胡麻の種子が発見されています。

古くから日本の食を支え、美や健康に良いとされてきた胡麻。しかし我が国の生産量はごくわずかで、99.9%を輸入に頼っています。熱帯から亜熱帯・温帯の北緯45度までの国と地域が主な生産地域です。

胡麻の栽培種は世界で3000種以上もありますが
大別すると白胡麻・茶胡麻・黒胡麻・金胡麻に分類されます。
油分が多く搾油に適した白胡麻・茶胡麻。
古くから健康・滋養強壮に良いとされている黒胡麻。
収穫量が少なく貴重な金胡麻。
岩井の胡麻油では白・茶・黒胡麻から胡麻油を搾っています。

岩井と黒胡麻油

岩井の胡麻油は昭和41年(1966年)日本で初めて
黒胡麻から搾った胡麻油を発売しました。
中国紀元前に書かれた医食同源の書「神農本草経」で、
黒胡麻が健康に良いとされていることにちなみ、
「限りない命」を意味する「無量寿」と名付けました。

胡麻の花

岩井の胡麻油の象徴である「金岩井純正胡麻油」の
赤と緑のパッケージ。その中央にある植物は
胡麻の花をモチーフに描かれています。